積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング)の6大メリットとは

月 2 27, 2023

18世紀に機械化が進んで以来、製造業はそれほど大きくは変化していません。確かに、機械はより洗練され、工程は最適化され、規模が拡大し、材料は改良されてきましたが、基本的な原理は変わっていません。しかし最近になって、積層造形の強みがこの流れを完全に変えました。

1980年代初頭、積層造形は製造方法に変化を及ぼし始め、ここ数年の大規模な技術革新によってそれは顕著になりました。今日、あらゆる規模のメーカーが積層造形による生産時間の短縮、コストの削減、設計の自由度を享受できるようになりました。

この記事では積層造形とは何か、どのように機能するのか等、積層造形の6つの利点について簡単に説明します。

 

積層造形:基本として抑えておくべき情報

積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング又はAM)とは、3Dプリンティングやラピッド・プロトタイピングの別名です。これは、材料を粒子ごとに追加することによって3次元物体を作成するプロセスであり、 機械加工や成形プロセスから材料を切削する従来の製造方法とは 対照的 です。

積層造形の核心にあるのは、コンピューター支援設計(CAD)ソフトウェアです。CADは、デジタルモデルの組み立てと製造を機械に指示し、単純な子供のおもちゃから複雑なエンジニアリング部品まで、あらゆるものを制作することが可能です。

 

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3Dプリンティングは、すでに製造分野に革命をもたらしました。オンデマンドによる製造は少量多品種生産を実現しました。また、材料の無駄とコストの大幅な削減を実現し、精密な公差は部品の信頼性を飛躍的に向上させました。

積層造形技術がより高度になるにつれ、3Dプリンティングが当たり前の存在になることは間違いありません。3Dプリンティングが従来の製造に置き換わることは無いかもしれませんが、現在活用できる方法で既存のプロセスを補完することは可能です。

 

積層造形の種類

積層造形にはいくつかの種類があり 、それぞれに長所と短所があります。最終的に選択する方法は、製造する物体の仕様によって異なります。各加工方法を簡単に見てみましょう。

  • 光造形法(SLA)

1981年に児玉秀雄博士によって日本で開発された光造形法は、これまでに発明された最初の3Dプリンティング方法です。この方法はレーザーで感光性樹脂を層ごとに硬化させる光化学プロセスに依存します。つまり、モノマーやオリゴマーを架橋してポリマーにします。

  • 熱溶解積層方式(FDM)

FDM法は、熱可塑性材料の連続したフィラメントを加熱し、それを層ごとに押し出して対象物を作り上げます。熱溶解フィラメント製法またはフィラメント自由形状法とも呼ばれます。

  • 選択的レーザー焼結(SLS)

SLS は、レーザーを使用して、金属やナイロンのような添加材料の小さな粒子を選択的に融合させ、固体を作製作します。SLSは柔軟性があるため、航空宇宙部品やダクトから医療機器製造まで、さまざまな用途に使用できます。

  • 指向性エネルギー堆積法(DED)

高出力のレーザーまたは電子ビームを使用して、基板上に材料を溶融・堆積させる方法。DEDの 他の名称には、プラズマアーク溶解、直接金属蒸着、レーザー(メタル)デポジションなどがあります。DEDは少量生産では一般的な選択肢です。 

 

Additive Manufacturing Advantages

出典: Unsplash

 

  • 材料噴射法(マテリアル・ジェッティング)

ダイレクト・インクライティングまたはマルチジェットモデリングとも呼ばれるこの方法は、インクジェット技術を使用して、フォトポリマーまたはワックスの液滴をプラットフォームに付着させます。その後、UVライトがプラットフォームに照射され、感光性の原材料から3次元オブジェクトが生成されます。

  • バインダージェット方式

バインダージェット・パウダーベッドやインクジェットとも呼ばれ、プリントヘッドを使用して、鋳物砂、粒状セラミックス、特定の金属などの粉末のベッドに液体のバインダー材料を付着させ、固体に融合していきます。バインダージェット方式は、射出成形に代わるサンドキャスト鋳型の製造によく使用されます。

  • シート積層法

ラミネート製造法とも呼ばれるこの方法は、金属シートや紙などの薄い層を貼り合わせて造形物を作る方法です。一般的な用途としては、建築モデリング、地形の視覚化、人間工学的研究などがあります。

 

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積層造形の主な6つの長所

積層造形がどのようなもので、どのように機能するかを理解したところで、積層造形の主な利点について考えてみましょう。

1. 持続可能性

積層造形はオンデマンド生産を可能にすることで環境にメリット をもたらします。これは、材料効率の向上、省エネの促進、CO2排出量減少を意味します。

2. コスト削減

多くの経営者にとって、これは積層造形の大きな長所の1つです。つまり積層造形プロセスは従来の方法よりも低コストです。

印刷工程で必要な材料だけを使用するため、特にこのメリットは少量生産において該当します。過剰生産の心配はありません。

3. カスタマイズ性

従来の製造方法とは異なり、積層造形では高度にカスタマイズされた部品やデザインを製造できます。小さなディテールを素早くアップグレードする必要がある場合、製造中止となった旧部品を製作する必要がある場合、特定のニーズを満たすために生産量全体を調整する必要がある場合等、3Dプリントを使用すれば簡単です。

 

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4. ラピッド・プロトタイピング

アディティブ・マニュファクチャリングは、プロトタイプを異例の速さで製造することができます。これによって市場投入までの時間(TTM)が短縮されるだけでなく、エラーの発生も大幅に減少します。複数のプロトタイプを連続して製作することで、製造や設計の欠陥を本格的な製造を開始する前に修正することも可能です。

5. 柔軟性と設計の自由度

デザインの変更や複雑な幾何学形状の製造が簡単であることは、積層造形の大きな魅力の1つです。

現在、多くの企業が3Dプリンティングを使用して、従来の方法ではほぼ不可能だった複雑な部品を製造しています。実際、重量を最小限に抑えながら安定性を最大限にする形状の作成に関しては、この技術を置いて他には有りません。

6. 生産方法の合理化

大量の材料在庫を必要とする従来の方法とは対照的に、3Dプリンティングではアセンブリを1つの部品にまとめることができます。これは在庫の削減、運搬コストの削減、および関連するサプライチェーンや物流の諸問題の削減につながります。

 

積層製造の長所をビジネスに組み込む

積層造形が製造現場において今後も革新の波を起こしていくことは間違いありません。
ポイントは、「いかに6つの積層製造の利点をビジネスに活用できるか 」ということです。

まずは3D技術のエキスパートと提携することから始めましょう。

35年以上の経験を持つ当社は、3Dプリンティング機能の導入と最適化をサポートします。当社の専門家は、戦略や構築から製品寿命全般にわたるサポートまで、あらゆる段階でお客様を支援します。

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写真の出典: Unsplash

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