CADシステムのコンポーネントについて

水 5 13, 2020

CAD(コンピュータ支援設計)CAM(コンピュータ支援製造)のプログラムには、UI(ユーザーインターフェース)とアプリケーション・ロジックの主要コンポーネントが含まれています。

同様に、CAD/CAMソフトウェア自体のアプリケーション・ロジックは、以下の部分で構成されています。

  • データベース 
  • 3Dビジュアライゼーションスイート 
  • メッシャー 
  • 3Dモデラー 
  • 3Dデータ変換スイート

今回は、CAD/CAMシステムを構築するために必要な、各アプリケーションロジックコンポーネントの具体的な機能についてご紹介します。

アプリケーション・ロジック

簡単に言うと、CADシステムのアプリケーション・ロジックのコンポーネントとは、最も重要かつ最も難しいソフトウェアの部品です。しかし、これらのコンポーネントは、CADスイートを機能させるだけでなく、より高性能で高品質なスイートと標準以下のスイートを区別するものでもあります。

データベース

データベースは、CADに限らずすべてのプログラムに標準的に搭載されているソフトウェアコンポーネントです。アプリケーションは、データベース管理システム(DBMS)を介してデータベースを制御します。

3Dモデラー

3Dモデラーは、CADの重要なコンポーネントです。3Dモデラーは、オブジェクトの視覚化、シミュレーション、分析のために、オブジェクトの幾何学的表現の作成、修正、クエリを可能にするものです。

3Dモデラーは、まず、以下の機能を備えていなければなりません。

多面体モデリング(Polyhedral Modeling)

B-Repに加えて、3Dモデラーは、特にSTL、3MFやその他の同等のデータソースから、ジオメトリを三角メッシュ形式で表現する機能を提供する必要があります。

多面体モデリングは様々な業界で重要な役割を果たしていますが、特に医療産業やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の分野では重要です。例えば、医療関係のデザインでは、形状が有機的であることが多いのです。このようなデータをB-Rep形式でモデリングしようとすると、トポロジーや空間的な関係を構築しすぎてしまい、設計者やエンジニアのハードウェアやソフトウェアに負担をかけてしまう危険性があります。

一方、多面体モデリングはシステムへの負担が少なく、複雑な空間関係やプロパティの維持がそれほど重要ではないワークフローにおいて、より柔軟に対応することができます。考え方としては、リソースを消費しない形状にするということです。

エラーチェックと診断機能

モデラーは、機能障害の原因となる設計の異常や問題を発見できなければなりません。また、繰り返し設計を改善するために使用できるスマートな診断を提供できることも必要です。

操作の確認

3Dモデラーは、重複するジオメトリや冗長なジオメトリ、スライバトライアングル、交差するエッジなど、潜在的な修正を必要とする問題をユーザーが識別できるようにする必要があります。

クリーンアップ操作

これらの機能は、ユーザーが潜在的な問題を解決するための時間を節約するのに役立つヒーリング機能です。3Dモデラーは、ステッチ、修復、除去、穴埋めなどの機能を備えている必要があります。

クエリ機能

クエリ機能があれば、ユーザーはCADモデルを詳細に検討することができ、設計プロセスの早い段階で潜在的な問題を発見し、解決することができます。そのためには、距離クエリ、干渉検出、クロージャ、レイファイア、体積・面積・質量のプロパティクエリなどが必要になります。

上記は、3Dモデラーがほとんどのワークフローで必要とする機能のほんの一部ですが、平面や多平面のスライス、変形、ブール演算などの追加も考えるべきでしょう。

Defeaturing(自動モデル簡略化)

フィーチャーの種類(穴、パッド、ポケット、ロゴなど)を認識し、フィーチャーを削除できるようにします。3Dモデラーは、モデルの簡略化も可能にする必要があります。これは、シミュレーションシステムを構築している場合には特に重要なことで、パフォーマンスの高いシミュレーションを可能にするためには、モデルをできるだけ簡略化する必要があるからです。


どのようにSimerics社がCAD/CAMのすべての要件を実現したのかをご覧いただけます。
スペイシャルのSDKを使用した機能要件
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3Dデータ変換

次のコンポーネントは、3Dデータ変換スイートです。 これにより、さまざまな形式のCAD / CAMファイルをインポートして、データの再利用や、さまざまなチームやワークフローなどの間の相互運用性を実現できます。

完全に機能する3Dデータ変換スイートにより、エンドユーザーはCADまたはCAMファイルの製品またはアセンブリ構造、テッセレーションされたジオメトリ、正確なまたはB-Repジオメトリ、およびメタデータ識別子をインポートできます。

メッシング

CADスイートには、メッシュモデルを作成する機能が備わっている必要があります。メッシュモデルとは、質量プロパティを持たない、ポリゴン(三角形、四角形など)で表現されたモデルでのことです。これは、CFD(計算流体力学)や CAE(コンピュータ支援エンジニアリング)のようなソフトウェアベースのシミュレーションに必要な機能です。

メッシング・スイートの具体的な機能は次の通りです。

  • サーフェスメッシング
  • メッシュのクリーンアップ
  • ボリュームメッシング
  • メッシュアダプテーション

ビジュアライゼーション

3Dビジュアライゼーションスイートは、CAD/CAMソフトウェアの3Dモデリングや3Dデータ変換機能のバックエンドエンジンとしての役割を果たします。OpenGLやDirect 3Dなどの実績のあるフレームワークをサポートし、前述のコンポーネントと統合する必要があります。

ユーザー・インターフェース (UI)

これは基本的に、エンドユーザーが目にするCAD/CAMアプリケーションの部分、つまりフロントエンドのユーザーエクスペリエンス(UX)です。しかし、UI/UXは重要ではあるものの、いわばアプリケーションの氷山の一角です。しかし、クラス最高のエクスペリエンスを提供するためには、モデルの生成、編集、視覚化のための基盤となる各コンポーネントが必要です。



エンドユーザーが必要とする機能を備えたCAD/CAMシステムの構築のために

全体として、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)にとっての課題は、CAD/CAMスイートの各コンポーネントの開発と保守です。大量のソフトウェア開発リソースが必要になるだけでなく、コアエンジニアリングの専門知識も必要になります。

これはすべてのISVにとって非現実的な期待であり、だからこそ、これらのコンポーネントがすでに含まれているOOTB(Out-of-the-Box、すぐに使える)ソリューションが重要なのです。OOTBソリューションを活用することで、エンドユーザーが期待する機能を正確に提供できるだけでなく、自社の開発時間を削減し、代わりに差別化(UI/UXの完成度を高めるなど)に集中することができます。

スペイシャルは、3Dデータ変換(3D InterOp)、3Dモデリング(3D ACIS & CGM Core Modelers)、メッシング(3D Precise Mesh)、3Dビジュアライゼーション(HOOPS Visualize)など、ワールドクラスのCAD/CAMスイートに必要なあらゆるコンポーネントを提供しています。スペイシャルSDKの評価・お問い合わせはこちらから。

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