医療用積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング)

火 4 04, 2023

Additive Manufacturing for Medical Applications

積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング)は、ビジネスに革命をもたらしましたが、医療分野も例外ではありません。医療用積層造形はカスタマイズされた医療機器や組織を作成することで患者の回復を早め、生活の質を向上させる強力なツールと考えられています。

この記事では、 パーソナライズした患者のインプラント, 手術器具、人工装具などの分野での使用例を含め、医療分野において医療用積層造形が変革を実現できる様々な方法をご紹介します。また、医療用アプリケーションで積層造形を使用するメリットについてもご紹介します。

医療用積層造形とは

医療用積層造形は、医療用3Dプリンタとも呼ばれ、コンピュータ支援設計(CAD)と積層造形技術を使用して医療機器や構造物を作成するプロセスです。

デジタルモデルが3Dプリンタに送られ、3Dプリンタが材料の層を積み重ねて物体を作成します。作成する対象の特性に応じて、ポリマー、金属、セラミックなど、さまざまな材料を使用することができます。

医療用積層造形には、複雑な形状の作成、患者の待ち時間の短縮、手術精度の向上など、従来の製造方法には無い多くのメリットがあります。

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医療業界における積層造形の応用例

医療用積層造形は、特に医療機器や人工装具のような重要なアイテムの作成に多くの用途 があります。大まかな分類を見てみましょう。

手術器具とガイド

積層造形は、外科用ガイドや器具の作成によく利用されます。このような製品はすでに手術の精度を向上させ、合併症のリスクを低減しています。例えば、手術ガイドは脊椎手術の際、外科医が正確な位置に穴を開けるのに役立ちます。

補綴物

積層造形は、オーダーメイドの人工装具の製作にも利用できます。 例えば、3Dプリントされた義手は、患者のもう一方の手と同じように設計することができます。医療用積層造形は、従来よりも快適で安全な人工関節ソケットの作成にも使用できます。

骨と関節の再建

医療用積層造形を利用するで、人工股関節置換術、人工顎関節置換術、人工膝関節置換術などの骨や関節の再建をカスタマイズし、ジャストサイズにすることが可能です。3Dプリンタによる合成軟骨も、関節の再建をリードしています。

人工臓器と人工組織

医療用積層造形が生命の構成要素である人工臓器や組織のバイオプリントにも応用できることは意外かもしれません。これらのモデルは生きた細胞を使って作成され、皮膚移植や病気管理に役立つ肝臓組織のプリントなど、将来が期待されます。

例えば、患者の心臓の3Dプリントモデルは、外科医が複雑な心臓手術を計画するのに役立ちます。模型は医学生や研修医のトレーニングにも非常に便利です。

 

患者専用インプラント

患者固有のインプラントは、最も有望なアプリケーションの1つです。これらのインプラントは、解剖学的に正確な3Dモデルを作成するために、患者のCTスキャンやMRIスキャンを利用して作られます。このモデルを使用して、完全にカスタマイズされたインプラントが設計されます。

頭蓋インプラント、脊椎インプラント、人工股関節や人工膝関節はすでに大きな成功を収めています。従来のインプラントと比較してより快適、審美的で、機能をより再現することができます。

医療用積層造形の仕組み

積層造形医療機器製造の基本的なステップについて説明します:

ステップ1:イメージング

患者専用デバイスの場合、プロセスはCTスキャンやMRIスキャンなどの医療用画像処理から始まります。これにより患者の解剖学的構造の3次元画像が生成されます。

ステップ2:CADモデリング

画像データは、コンピュータ支援設計(CAD)と呼ばれる専用ソフトウェア を使用して、デジタル3Dモデルに変換されます。CADを使用すると、画像データを操作して、患者の解剖学的構造の詳細で正確なモデルを作成できます。

Additive Manufacturing in Medical Industry

 

ステップ3:プリンティング

デジタル設計ファイルを3Dプリンタに読み込み、造形物を作成します。プリンタは設計ファイルをガイドとして使用し、必要な場所に正確に材料を積み上げて完成品を生成します。

これは金属レーザー焼結、溶融積層造形(FDM)、ステレオリソグラフィ、その他の3Dシステムを使用して行われます。

ステップ4:後処理

プリントが完了したら、最終製品を使用するための準備として、さらに加工を行う場合があります。これには研磨や滅菌が含まれます。

ステップ5:実装

3D印刷された医療機器や構造体の準備が整いました。

実際の製造プロセスの具体的な手順は、印刷される物体のタイプ、使用される材料、その他の要因によって多少異なります。

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その方法とは

企業が医療用積層造形を使用する理由

では、なぜ医療用積層造形の利用を検討する必要があるのでしょうか?その理由をご紹介します。

カスタマイズ

医療用積層造形を使用する主な理由の1つは設計の自由度です。従来の技術は大量のロットでパーツを作成することが多く、カスタマイズされた製品と大量生産とは性格が相反します。

一方3Dプリントでは高価な工具や金型に頼ることなく、カスタムデバイスや構造を迅速かつ効率的に作成できます。これは再生医療の分野で特に有用です。

精度の向上

積層造形は比類ない精度が特徴で、非常に厳しい公差でデバイスや構造を作成できます。これは、手術器具やインプラントなど、精度が重要な用途では特に重要です。

廃棄物の削減

従来の技術に比べて積層造形では廃棄物が大幅に削減されます。規制の厳しい医療製品や高価値の医療製品を製造する企業は、収益性を高め、コンプライアンスリスクを低減できます。

イノベーション

新しい設計の可能性を模索する企業には、積層造形の選択を推奨します。これによって、新しい医療製品の開発、患者の回復を早め、イノベーションを推進します。.

Medical Additive Manufacturing

 

より迅速な生産スピード

従来の方法と比較すると、積層造形は迅速です。カスタマイズされた製品を作成に従来なら数日、あるいは数週間かかるところ、3Dプリントでは数時間でプロジェクトを完了できます。

これは、ポイントオブケア製造の際に特に有用です。ポイントオブケア製造とは、オンデマンドで医療機器や構造物を患者の治療現場で製造する能力を指し、災害現場や戦場などの緊急用途は特に有望です。

医療機器向け積層造形と切削製造の比較

積層造形と切削製造は、医療機器や構造物を作成するための2つのアプローチです。後者は、より大きな材料を切断、穴あけ、またはその他の方法で除去し、特定の構造を作成します。医療機器の積層造形では層ごとに構造を作り上げます。

積層造形の利点のひとつは、設計の自由度の高さです。構造体のサイズや形状を正確に制御できるため、患者固有の医療用途には欠かせません。切削製造では、複雑な形状やカスタム形状を作るのは難しく時間もかかります。

積層造形のもう一つの利点は、最終製品の製造に必要な材料のみを使用するため、廃棄物を削減できることです。切削製造では材料を削り取るため、大きな無駄が生じます。

また、積層造形は1回の造形で複雑な構造を生成できるためよりスピーディです。一方切削製造は、同じ結果を得るために複数のステップや組立が必要です。

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積層造形医療機器は、患者の回復を早め、医療を変革する大きな可能性を秘めた成長分野です。 高度にカスタマイズされたデバイスや構造作成の実現で、医療の専門家がより各患者にパーソナライズされた効果的な治療を提供できるようになりました。

患者に適合した機器から手術器具や人工装具に至るまで、医療分野アプリケーションにおける積層造形技術は、業界のさらなる革新を約束します。医療機器による患者ケアの質の向上と継続的なサポートは日々進歩しています。

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